ZONE2「古代国家の源流」
仁徳陵古墳を頂点とする多くの古墳がつくられた時代に、日本古代律令国家の胎動が始まりました。
古墳時代、4世紀から6世紀の300年間、本州、四国、九州では各地に前方後円墳をはじめとする大小の古墳が多数つくられた。各地で古墳を築いた集団は、互いに政治的つながりを強め、あるいは反発しあいながら、しだいに大和や河内を中心とする政治勢力に統一され、後の古代律令国家へと変化していく。
その道程は一様ではない。朝鮮半島や中国大陸の様々な文化や技術を波状的に受け、その時々の日本列島内の実力に応じた様々な段階と変容を経ながら歩んでいった。
仁徳陵古墳はその道程を示すシンボルである。
A.竪穴式石室の世界 | ![]() |
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古墳時代の始まりの頃、王は豊富な副葬品と共に竪穴式石室に葬られます。三角縁神獣鏡に代表される多量の銅鏡は、死者の遺骸を包み込むように配置されます。 茨木市紫金山古墳に納められた豊富な副葬品の数々は、王の権威と支配関係を物語ります。 |
a.埴輪の世界 | ![]() |
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円筒埴輪と形象埴輪。古墳の周囲に立て並べられた埴輪からは、時期的な変化とともに、古墳時代の風俗を如実に知ることができます。 このコーナーでは人物や動物、家や武器・武具など多彩な形象埴輪の群像と共に、円筒埴輪の時期的な変化の様子をごらんいただけます。 |
B.王と民衆 | ![]() |
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5世紀代、王権は豊富な鉄素材や新来の技術を背景に成長を続け、巨大な前方後円墳を造営するようになります。 このコーナーでは大王墓にみられる武器や武具を中心とした鉄製品の大量副葬の様子や、新しい産業の形成を示す出土資料から、王権の成長と、そのもとに構成される民衆の姿に迫ります。 |
b.古墳造営のムラ | ![]() |
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いくつもの巨大前方後円墳を築造した人々はどのような生活を営んでいたのでしょうか。 ここでは古市古墳群で確認された古墳造営キャンプと目される遺跡と、古代の大型運搬具、「修羅」の使用を重ね合わせ、巨大古墳造営の具体的な様子に迫ります。 |
石棺 | ![]() |
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古墳時代の巨大な石棺は、限定される使用石材と、高度な加工技術から、まさに王の遺骸を葬るために造られた特別な「棺」でした。 ここでは前期にさかのぼる割竹形石棺から長持形石棺、そして家形石棺へと、古墳時代の石棺の変遷をみることができます。 |
C.横穴式石室の世界 | ![]() |
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古墳時代の後半、朝鮮半島から伝わった横穴式石室は埋葬施設の主流となっていきます。同時に副葬品の様子も大きく変化し、馬具や須恵器が石室内に納められるようになります。 また群集墳の発生と爆発的な展開は、古墳被葬者層の拡大と共に、社会関係の大きな変化を示しています。 ここでは茨木市南塚古墳と一須賀古墳群の副葬品の展示から、横穴式石室をめぐる、黄泉の世界を再現します。 |
D.大古墳の造営 | ![]() |
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巨大前方後円墳の真の姿とは。 ここではわが国最大の前方後円墳、仁徳陵古墳の築造時の姿を、周辺の陪冢群とともに150分の1の大きさで再現し、本当の古墳の姿をごらんいただけます。 またこの模型には古墳時代のさまざまな暮らしやものづくりの場面を、約3000体の人形を用いて復元しています。 |